備前石は岡山県備前市周辺で採れる花崗岩の一種で、日本庭園の石組みや飛び石に広く使われています。ホームセンターや石材店でも手に入りますが、産地の採石場で直接選ぶのとでは、仕上がりに明確な差が出ます。何が違うのか、何を見ればいいのかを、実際に毎年採石場を訪ねている立場から書きます。
色は自然光の下で確認する ¶
石の色は光源によって大きく変わります。採石場の屋内や石材店の蛍光灯の下では、赤みや黄みが飛んで見えることがあります。必ず屋外の自然光の下で確認してください。備前石は鉄分の含有量によって、白みがかったものから赤みの強いものまで幅があります。庭に据えた後、どちらの色調に落ち着いてほしいかを先に決めておくと、選びやすくなります。
表面の質感と風化の具合を触って確かめる ¶
石の表面を手で触ると、粒子の粗さと風化の程度がわかります。粒子が粗く、表面がざらついているものは、苔が乗りやすく、時間とともに庭に馴染んでいきます。逆に、表面が滑らかすぎるものは苔が乗りにくく、長く「新しい石」の印象が残ります。どちらが良いかは庭のコンセプトによりますが、日本庭園らしい経年変化を求めるなら、粒子の粗いものを選ぶことをお勧めします。
割れ目と節理の確認 ¶
石には内部に割れ目(節理)が入っていることがあります。表面からは見えなくても、据えた後に割れることがあるため、採石場では石を軽く叩いて音を確認します。澄んだ音がするものは内部が均質で、割れにくい。くぐもった音がするものは内部に空洞や割れ目がある可能性があります。飛び石や手水鉢など、荷重がかかる用途には特に注意が必要です。
サイズと重量の現実的な確認 ¶
採石場では大きく見えた石が、庭に据えると意外と小さく感じることがあります。これは周囲に比較対象がないためです。必ず巻き尺を持参して、実寸を確認してください。また、石の重量は見た目より重いことが多く、搬入経路と据え付け方法を事前に確認しておく必要があります。重機が入れない場所への搬入は、追加費用と工期に影響します。
採石場との長期的な関係を築く意味 ¶
一度だけ買いに行くより、毎年同じ採石場を訪ねることで、石の出方の傾向や、その年の特徴的な石について情報を得られるようになります。採石場の方も、どんな用途に使うかを知っていれば、適した石を取り置きしてくれることがあります。石材は農産物と似ていて、その年の気候や採掘の深さによって質が変わります。産地との関係は、庭の質に直結します。
備前石の選び方は、最終的には経験の積み重ねです。最初は難しく感じるかもしれませんが、実際に採石場に足を運んで石を触ることが、一番の近道です。庭石の選定についてご相談があれば、初回無料相談でお話を伺います。